当館では、多数の自然史の分野の資料を収集・保管しています。
動物資料・植物資料・地質資料のほか、旧四高物理実験機器・図書資料を所蔵しています。
分野別収蔵資料 (令和3年度末現在)
- 植物資料 : 約263,200点
- 地質資料 : 約31,200点
- 動物資料 : 約15,900点
- 物理実験機器 : 1,331点
- 図書資料 : 約18,700点
植物資料
概要
総数26万点余を収蔵。県内で収集された維管束植物のさく葉標本(おしば標本)が主です。「石川県樹木分布図集」(1994年 石川県林業試験場)など、県内の各種の植物目録作りに利用された標本を収蔵しています。
維管束植物 | さく葉標本 約250,000点: 県産植物のほとんどが収集されています。 |
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木材標本 | 輪島市で収集された材幹 54種56点 |
海藻標本 | さく葉標本 9,368点 |
植物図 | 2,147点: 故正宗厳敬(元金沢大学理学部教授)氏が分類研究のために描いた植物スケッチです。 |
標本の紹介
さく葉標本(トウバナ) 植物図
地学資料
概要
個人や他の公的機関より寄贈された化石標本を中心に、総数3万点余を収蔵しています。その中には、金沢市内に分布する大桑層(更新統)より産出した貝や脊椎動物の化石や、白山市桑島に分布する手取層群(下部白亜系)から産出した植物化石が数多く含まれています。岩石や鉱物の標本はあまりありません。今後も県内で地質調査を実施して、収蔵資料を増やしていきたいと思います。
大桑層産の化石 | 石川県金沢市に分布する大桑層(下部更新統:80~180万年前)産の貝・脊椎動物化石が多数あります。 |
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手取層群産の化石 | 石川県白山市桑島に分布する手取層群(下部白亜系)産の貝・植物化石が多数あります。 |
標本の紹介
ホクリクホタテ(大桑層) コトウニィルセンソテツ(手取層群) 水晶
動物資料
概要
総数約1万6千点を収蔵。県内産資料の収集に努め、現在、主に昆虫類、甲殻類等および魚類の標本収集・同定整理を進めています。また、哺乳類・鳥類に関しても収集を行っています。
哺乳類 | はく製および骨格標本 約300点: 県内産が少ないため、収集活動を行っています。 |
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鳥類 | 主にはく製 約600点: 県内産資料150種200点の多くが仮はく製で、はく製よりも長期間保存できる状態です。 |
両生類 | アルコール液浸標本 169点: 県内産の種がすべて揃っています。 |
魚類 | ホルマリン液浸標本 約4,600点: 平井賢一(元金沢大学教育学部教授)氏が収集した県内産淡水魚の標本などがあります。 |
節足動物 | 乾燥標本および液浸標本約4,000点:主に県内産の昆虫類および甲殻類を保管しています。 |
その他 | サンゴの仲間や貝類の標本を6,000点余を保管しています。 |
標本の紹介
白山のライチョウ 旧制四高の大型動物の骨格標本 ナホトカ号重油流失による汚染で犠牲になった海鳥の標本 石川県のイカリモンハンミョウ 日本海のナガスクジラ 能登半島沿岸に漂着したダイオウイカ
物理実験機器
概要
総数1,331点を収蔵。旧制第四高等学校で使用されていた国内屈指の物理実験機器のコレクションが収蔵されています。これらの多くは「古い」「改良」等の理由で廃棄されました。当館の資料は実験機器の変遷を知るうえで、とても重要です。
当館所蔵の第四高等学校物理実験機器のデータが、学術資源リポジトリ協議会からネット上に公開されています。→科学実験機器資料(石川県立自然史資料館所蔵)
旧制四高コレクション | 物理実験機器 752点: 明治から昭和初期に製造され、旧制第四高等学校で使用されました。 |
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県教育センター寄贈品 | 物理実験機器136点: 県内の小中高校で使用されていた機器です。現在使用されているものと比べると技術の進歩が伺えます。 |
標本の紹介
ウルフ氏万有引力試験器 気秤(きひょう) ボルタ柱(ボルタ電堆) クーロム氏電気廻転秤(クーロンのねじりはかり)