第27回企画展「美しき甲虫 斑猫(ハンミョウ)の世界」

展示室の風景

開催期間

2019年7月13日(土)~10月13日(日)

概要

 ハンミョウは、甲虫目ハンミョウ科に分類される肉食性の昆虫です。漢字では「斑猫」と書き、「道教え」という呼び名でも知られています。ハンミョウ類の外見は実に色彩豊かで、腹面はメタリックに輝いており、背面の模様は種ごとに異なります。また、ハンミョウ類は様々な陸上環境に適応しており、日本では主に林縁や裸地、川原や砂浜などで見られます。幼虫は、土や砂の中に穴を掘って獲物を待ち伏せ、近くを通った小動物を捕らえて食べます。このように、美しい形態と興味深い生態を持つハンミョウ類は、とても魅力的な昆虫と言えるでしょう。

 石川県には12種のハンミョウが生息しており、他の地域と比べても種数が多く、石川県は国内有数のハンミョウ王国と言っても過言ではありません。特に有名なのは、本州では石川県にしか生息していないイカリモンハンミョウで、生息環境の悪化によって現在絶滅の危機に瀕しており、環境省のレッドリストでは絶滅危惧I類に、石川県ではその生息地が天然記念物に指定されています。

 本企画展では、ハンミョウの研究者である堀道雄博士が世界各地で収集された貴重な標本コレクションと生態写真を展示します。また、日本および石川県に生息するハンミョウ類の標本と生態写真を展示するとともに、希少種イカリモンハンミョウの石川県での現状についても詳しく解説します。この夏、あなたもハンミョウの虜になってみませんか?